MODA-DS「嫌気生分解評価装置」
商品概要
「MODA-DS」は 空気の遮断された状態での微生物の分解能力(嫌気生分解)を省スペースで測定評価する装置です。
現在、多くの企業がより環境負荷の少ない工業プロセスへの移行や廃棄物・汚染物質等の生分解・処理の研究開発を行っております。なかでも微生物による土壌浄化は環境改善基礎研究にとって大きな課題のひとつであります。
「MODA-DS」は 汚泥等の嫌気性生分解量をより簡便に精度良く測定する事によって、生分解に関する基礎研究などを支援し、それぞれの分野に貢献する事を目的としております。
「MODA-DS」でできること
嫌気生分解によって発生するガスを回収、評価することができます。
研究室サイズで嫌気状態での生分解環境を作ることができ、発生ガスの回収することで嫌気生分解の評価ができます。
主に、下記の評価をすることに適しております。
- 嫌気生分解(メタン発酵)の評価
- 醗酵(発酵)の評価
その他、「活性汚泥の測定評価」や「嫌気性微生物の分解有効性評価試験」などにも応用できます。
1.嫌気生分解(メタン発酵)の評価
嫌気生分解とは
酸素の無い状態でも生きてゆける嫌気性微生物が有機物の分解を行い、自分の活動エネルギーを作り出します。この酸素のない状態で有機物の分解が行われることを嫌気生分解と言います。そして、この分解の際に作り出されるのが二酸化炭素とメタンガスです。
MODA-DSは嫌気微性生物が作り出すメタンガスと二酸化炭素を測定することで嫌気性分解を評価します。
何のための評価か
●嫌気性分解によるバイオガスエネルギーの回収。
食品残さなどの生ゴミは、水分を多く含んでいるため、焼却するためには大きな熱量を加えないと燃えません。そのため、より多くの二酸化炭素が排出されることになります。また、焼却炉などに負荷がかかりゴミ処理問題の一つとなっています。
一方、バイオガスエネルギーの回収では、嫌気生分解を行い、生ゴミからバイオガス(※1)を生成しエネルギーとして使用します。そして生分解で残った残さを好気分解してコンポスト化(※2)することで土に帰します。
MODA-DSは、嫌気生分解の課程で発生するバイオガスの発生量を評価します。
※1バイオガス・・・バイオガスは嫌気性微生物によって有機物が分解される際に排出されるガスです。バイオガスの代表格は、メタンガスです。都市ガスとほぼ同じ燃焼熱量をもつこと、生物による有機物の分解過程で発生するため環境循環型のエネルギーであることが注目されています。
温室効果ガスでもあり酪農が盛んな国では牛などが発生させるメタンガスが膨大で環境問題としても取り上げられています。
※2コンポスト化(堆肥化)・・・微生物が有機物(動物の排泄物、生ゴミ、汚泥など)を分解し、堆肥を作ること。
●生分解プラスチックの嫌気環境での分解評価
これまでの生分解の評価方法は、例えば生分解プラスチックを土に埋めて一定期間ごとに取り出して分解の進行具合を目で見て判断していました。しかし嫌気生分解では酸素が無い状態での分解のためその環境を作り出すことが非常に困難です。
そこで嫌気状態にある生分解プラスチックが分解されていく課程で発生するバイオガスをMODA-DSを使って評価します。
その評価は何に生かせるか
- 新規開発した生分解プラスチックの嫌気生分解度測定
- 生分解樹脂分解挙動の研究
- バイオプラスチックの嫌気生分解評価
- 有機物のバイオガス化効率
- 環境循環型社会の開発
2.発酵(醗酵)の評価
醗酵(発酵)とは
醗酵とは、アルコールやチーズのように微生物の働きで有機物が分解され特定の物質が生成されることです。これは酸素が無い状態で行われ微生物はこの分解によって活動エネルギーを作り出します。
生成される物質によってアルコール醗酵、乳酸醗酵、メタン醗酵などと呼ばれます。
何のための評価か
醗酵の際に発生するガスは微生物の食事(=分解)をして生成したものです。その原理を応用し、発生ガス量を測ることで微生物の分解能力(=醗酵進行度)を評価することができます。
その評価は何に生かせるか
- 醗酵に有用な微生物の培養評価
- 醸造などアルコールの醗酵度合いの評価
「MODA-DS」のココがスゴイ!
●MODAは世界基準!
MODA-DS装置を使用した試験法は現在国際基準法であるISOへの登録申請中です。
数年後にはMODA-DS装置を使用して得られた生分解プラスチックの評価結果は、国際的に公式な評価結果として認められる様になります。
●操作が簡単!
操作が非常に簡単で付属のガスの体積(容量)を量る装置であるガスビュレットの数値をプロット(記録)するだけで発生ガス量の測定が出来ます。
●省スペース!
MODA-DSは、わずか1平方メートルの実験卓上に設置が出来ます。付属のガスビュレットは移動式で作業の邪魔になりません。
バイオガス生成プラントは主に牧場など広い土地が必要です。しかし反応漕を1.5リットルと小型化し、温度コントロール装置のコンパクト化を行うことで一般的な大学研究室へも容易に搬入できます。また反応漕がしっかり密閉されているため無酸素状態を維持し臭いも外に漏れません。
社会貢献
生分解の評価は、環境にできるだけ負荷を与えない製品を開発する上で、重要な評価となり、環境にやさしい製品を作る為の重要な役割を担います。
このような製品が増えることで、環境循環型の社会を作る事につながります。
また、その評価及び製品が広まることで私たちのリサイクル意識がより深まります。
ゴミのポイ捨てはいけないことですが、万が一放棄されても生分解の評価がそのゴミに活かされていれば、ゴミは分解され自然に還ってゆきます。
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